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投稿者 スレッド
ゲスト
投稿日時: 2010-4-5 17:45
フナクリ通信・3

 3.実践としてのチーム医療(有機的多職種連携チーム医療)

  在宅ターミナルでは、自宅が病室となり、家族が看護・介護師となります。よって、患者本人の闘病意欲や家族(介護者)の介護意欲が大きく在宅での看取りの可否を左右します。
  しかし、間違いなく癌の進行に伴って病状は悪化するものですし、伴って闘病意欲や介護意欲も損なわれるものです。
  病状の進行はすでに食い止められないからこそ末期であり、我々医療者は在宅で看取るために闘病意欲や介護意欲を悪化する病状の中で如何に鼓舞出来るかが重要なポイントとなります。
  それを具体的に推進するのがチーム医療です。


  ①4輪駆動のチーム医療

   在宅ターミナルケアでは、チーム医療は最もスクラムを組むべきはやはり訪問看護師でしょう。
   現在、在宅での看取りが増えない理由の一つに医師の過労があります。夜間休日まで縛られて実際息が付けませんが訪問看護師は実に夜間や休日の対応も全てフットワーク軽く動いてくれます。
   詳細な指示内容も、事前に依頼すれば、ターミナルと言えども夜間にコールは多くありません。当然ながらクリニックでも対応しかねるケース(介護力不足などが多い)のための後方支援病院との連携も重要となります。(この部分は非常に重要ですが、今回は在宅ケアに限って考察しています。)
   口腔ケアなどから歯科医師との連携も大切です。末期とは言え、最期まで美味しいものを食べたいというのは、人間の本能でしょう。
   また特に麻薬の管理は、近時剤形の多種類化や、使用方法などが煩雑になりがちで、専門家である薬剤師による服薬指導は今後ますます重要となっています。しかし、重要な事は、看謹師も歯科医師も薬剤師も全て医師の依頼があって初めて動けます。最も大切な事はまず現場へ医師が出向く事だと感じています。

  当院も、併設の訪問看護ステーションは私の指示を確認するまでなく良く知っていて、情報交換には携帯メールが大活躍です。
  また、歯科医師や薬剤師も在宅診療に前向きで、きめの細かい指導には平伏しています。保険診療で対応できるチーム医療はこの4者が中心となると感じています。(在宅医療に造詣の深い鹿児島大学臨床教授の中野一司先生はこれを4輪駆動と呼ぶ)4輪駆動のチーム医療といいます。








  地域緩和ケア支援ットワーク

  (日本医師会雑誌より)


  ②介護保険を加えたチーム医療

   2000年に導入された介護保険制度も、2号被保険者の病名に「末期癌」が追加された事により、適応が40歳まで引き下げられました。
   老化による機能低下を適応とした介護保険に癌も老化現象という判断で病名の追加が認められました。これは在宅医療を行う上で大変重要な事です。しかし、実際は癌末期の患者のPS(performance status)の衰退のスピードは思いのほか早く、使用できる介護保険上のサービスは、ベッドやマットのレンタル程度で、必ずしも患者のPSの低下速度に対応したサービスは提供も享受もできない事が多いようです。
   しかし、実は介護保険サービスで見逃せないのが、ケアマネージャーの働きです。ケアマネジャーは単に、介護保険サービスの仕分け人ではありません。「ケア」とは本来「痛み」に対して行われますから、癌末期の患者の痛み(肉体的・精神的・社会的・霊的痛み)に対してそれぞれケア(肉体的・精神的・社会的・霊的ケア)が出来るケアマネジャー(私はトータルケアマネジャーと呼ぶ)であって欲しいと願っています。
   今後、40歳以上の末期癌も介護保険施設(老人保健施設、グループホームや特別養護老人ホーム)などで看取りの機会も増えることが予測できます。主にご老人の様に状態が安定した人をケアするのが介護保険施設であるという考えは狭小です。今後、ますます増える年間死亡者を病気別、病態別に死に場所は選べる時代ではなくなるかもしれないのです。
   介護保険施設も加えたチーム医療と言えます。
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題名 投稿者 日時
   フナクリ通信 ゲスト 2010-3-28 9:45
     フナクリ通信・2 ゲスト 2010-3-30 7:44
   » フナクリ通信・3 ゲスト 2010-4-5 17:45
     フナクリ通信・4 ゲスト 2010-4-6 8:29

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