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     健康に老いて行く (柳川直樹)
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life3
投稿日時: 2010-3-22 9:57
登録日: 2004-2-3
居住地: メロウ倶楽部
投稿: 60
健康に老いて行く (柳川直樹)

 高齢者は、残念ながら、日々、身体の機能が右肩下がりに衰えて来ます。それが老化というものであり、病気ではなく、自然現象であると言われています。

 この老化の過程にある高齢者にとって “健康な状態とはどう言う状態なのか、その要件を考えてみました。

 第一の要件は、排泄が定期的に行われていることではないでしょうか。
 人間の身体は、必要な物を摂取し、新陳代謝と呼ばれる生体活動を通じて利用した後に、不要な物を排泄する構造になっています。
 
 必要な物を摂取するには、体内に充分な空きスペースが必要なのですから、定期的な排泄が“健康な状態”を構成する第一要件と言えると思います。

 第二の要件は、好き嫌いなく色々な食材をまんべんなく食べることだと思います。排泄と摂取の重要度は50/50であり、そのどちらにも過不足があってはならないのです。

 身体に良い食品に付いては、数多くの書物やテレビ番組で紹介されていますので、食べるべき食品に付いては、それらを参照して戴きたいと思います。有益な情報は充分にあると思います。

 私個人の判断を申し上げれば、新宿医院院長の平石貴久医師の書かれた「21世紀の医食同源」はお薦めです。

 同医師は、身体に良い食べ物だけを食べるのではなく、一般的には、身体に悪いと言われているコレステロールですら、ある一定量は身体に必要な栄養素なので、適量を他の栄養素とバランスよく食べる必要があると説いています。そして同書の中で、身体に必要なさまざまな食品とその料理法および摂取量を示しています。

 東北大学大学院の大隅典子教授の最新の研究では、身体に悪いからと言って、脂肪分を控えすぎると、脳神経の新生が鈍り、うつ病等の心の病につながる可能性があることを突き止めています。 神経新生は年齢とともに低下しますが、脂肪が不足するとそれが加速されて神経疾患につながると考えられています。

 第三の要件は、こまめに水を飲むことだと思います。体内では栄養素や新鮮な酸素は動脈内を水に載せて運ばれています。また、炭酸ガスや老廃物は静脈内を水に載って運ばれてきます。このように水は排泄と摂取の好循環を保つ必要不可欠な物質です。

 第四の要件は適度の運動を行うことです。高齢者には激しい運動は不要であるばかりか、骨折などの危険があります。歩くことで充分だと考えます。

 下半身への血液の流れは、重力に従いますのでスムースに流れますが、心臓に戻る静脈の流れは重力に逆らわねばなりません。

 人間の脚は、歩くことで筋肉が動き、筋肉の動きで静脈血管内に設けられた逆止弁が働き、静脈流の心臓への還流を保証する構造になっています。

 即ち、歩くことで、血液の循環が良くなり、不要な物の排泄を促し、筋肉の減少を食い止め、排泄と摂取のバランスを保つ好循環をもたらします。

 老化の進行は食い止めることができませんが、この好循環が老化の進行スピードを緩めることができるのです。

 全体の傾向として右肩下がりの健康状態の中で、その時々の健康を維持して行くには、「出す、食う、飲む、歩く」が健康に老いて行く要諦であると考えます。

 人間は、歩くことで健康を維持する生き物として進化してきたと言えます。

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