このプロジェクトの趣旨

 

《このプロジェクトの目的》


 私たちは、遅かれ早かれ老いて、若いときと同じような生活はできなくなります。この「老いてゆく過程」―――これが「老後生活(シニアライフ)」です。

 私たちは、理想的な老後生活、すなわち、役所や、家族、隣人などに頼りきらないで、極力自立し、充実した、いろいろな意味で豊かな生活をおくり、周囲の人たちからも歓迎される存在でありたい―――

 ではなぜ、このような自立した老後生活が望ましいのでしょうか―――それは、
 ・少しでも他者の負担にならないようにーーーということはもちろん
 ・老後生活の独立・自由を侵されることなく、あくまでも主体性をもって自分としてもっとも納得できる実り多い老後をおくるために必要だからです。

 また、シニアを取り巻く環境は「急激に平均寿命が伸びた」「情報・科学技術が進歩した」「ものが豊富になった」「価値観が多様化した」「人間関係が希薄になった」「住宅など周囲の空間が狭くなった」「シニアを取り巻く犯罪が急増している」など祖父母・父母の時代と大きく変わりました。
 したがって、前の時代の老後の過ごし方をそのまま踏襲するのはそもそも無理があります。

 一方、今の時代は、自立を助ける商品・サービス・制度は、当時と比べ物にならないほど豊富になりました。
 そこで、我々は「21世紀にふさわしい理想の老後生活」を送るのに必要な情報を得たいと考えています。

 一口に「いい老後」を送るために役立つ情報といっても「生活の知恵・ヒント」の類から、「助けになる商品・サービスの知識」、さらに、息子や娘・行政に支援を求める際も「適切な支援を上手に活用する知恵」が必要になってきます。

 このプロジェクトは、「自立した老後生活」を送るためにはどうすればよいかを、私たちシニア自らが考え、情報を交換し合い、必要な情報がすぐ取り出せるような形で、データを蓄積しようとするものです。それらは我々自身に役立つものであると同時に、広く社会で活用されることを目指しています。すなわちメロウ倶楽部による社会貢献の一つとしていきたいと考えています。

《メロウ倶楽部がこれを推進する理由》

 ・従来からあるこの種のサイトは、サービスなどを提供する側からのものであるのに対し、このプロジェクトはユーザーの立場である高齢者のネット集団であるメロウ倶楽部が進めるもの−−−というとことに意味があります。
 したがって、たとえば「商品・サービス」などについても、単に商品提供側の情報の取次ぎに終わることなく「使用体験レポート」や「既存の商品・サービス改良ニーズ」「こういう商品が欲しい」というようなユーザーサイドの視点にたった生きたデータを、積み重ね、データベース化し、いつでも必要な時に引き出し、参照したり、利用できるようにすることを志向しています。

 ・特定の分野に限らず、衣食住のようなものから、エンディング対策にいたるまで上記の趣旨に沿うものは広範囲にカバーしたサイトにしたいと考えています。

 ・制度などについてのお役所などの情報はユーザーニーズに関係なく「縦割り」であるのに対し、私たちはユーザーニーズを中心にデータベースを構築していくことを考えています。

 さらに、私たちメロウ倶楽部のメンバーはシニアでありながら、多少なりとも ITスキルがある人間の集団なので、このプロジェクトを推進していくのにもっとも適していると思っています。
 特に、メロウ倶楽部はパソコン通信時代からの長い経験から「コメントツリー(スレッド)」をたてて「質疑応答」をしながら情報を交換しつつ、元情報の欠けたところを補い・間違いを修正し・情報の追加・関連分野への発展によって、情報の質・量を高めていく「会議室方式」についての経験・ノウハウを有しています。
 このノウハウを、メロウライフ館プロジェクトでも活用して行きたいと考えています。